2025年6月、大阪・関西万博の人気エリア「ウォータープラザ」で、水質検査によりレジオネラ属菌が基準値を大きく超えて検出された。検出されたのは海水を使用した水盤であり、基準値の最大50倍に達する菌が見つかったため、主催者は水上ショーの中止と噴水の使用停止を決定した。

レジオネラ菌は自然界の水中に広く存在するが、高濃度で吸引されると肺炎を引き起こすリスクがある。感染すると「レジオネラ症」という重篤な呼吸器疾患を発症する可能性があり、高齢者や基礎疾患のある人にとっては特に危険だ。今回の事態は健康被害の報告こそないものの、来場者や関係者に大きな衝撃を与えている。

これを受けて、日本国際博覧会協会は6月11日、「水質管理対策本部」を立ち上げた。石毛博行事務総長が本部長に就任し、専門家の協力を得ながら原因究明と再発防止策に取り組む方針を示した。現在はすべての関連施設で噴水や水使用設備を停止し、循環システムの点検・消毒・再検査が進められている。

また、同会場ではすでにユスリカ（小さな羽虫）の大量発生でも問題が発生しており、「水環境全体の見直し」が急務となっている。市民や来場者からは「準備不足」「ずさんな管理」との批判の声も上がっており、主催者側には早急な安全対策と情報開示が求められている。

国際イベントである万博の信頼回復には、今後の透明な対応が鍵となる。再発防止の徹底と安全確保がなされるまでは、水関連イベントの再開は難しいとみられている。